不動産の開業について。コロナウイルスが流行した2021年の9月に開業したのですが、
その時の担当者から『開業者数は昨年と変わらない。むしろ増えている』
とのこと。根強い人気がある不動産屋ですが、知らなくて困ったことも多々ありました。
今回は自分の体験談をもとに『こういうアドバイスが欲しかったな~』
と思ったことを書いていきます。
詳しい手続きの方法や必要なことなどは、今やネットで何でも調べられますし、
宅建協会や不動産協会に行けば丁寧に教えてくれますからね。
(多分。少なくとも沖縄の不動産協会は教えてくれましたよ。)
例えば資金。『いくらぐらい貯金していればいいか』
何不自由なければそんな心配もしないのでしょうが。
例えば経験面。『どれくらい経験を積めばいいの?』と不安な方もいるのでは?
今回は開業する前にあくまで”参考にしたいな”と思ったことの目安を書いていこうと思います。
基本的に私が不動産売買の専門なので、その方面の話が多いですがご覧ください。
↓急いでる方へのまとめ↓
〇不動産の契約に必要な流れが分かればとりあえず開業には及第点。結局新しいことは勉強しないと。 |
〇営業活動できるなら開業もアリ。ただし集客には苦労する。今の集客を参考に!! |
〇開業費で400万、1年は無収入で暮らせる貯金なら少し安心。ただし他の出費も地味に痛い |
経験面について
大体どれくらいでみなさんは開業するのでしょうか?板前さんだと何年も…とかよく聞きます。
不動産業界は比較的、その目安は分かりづらいような気がします。周りを見て多いのが
『もともと銀行マンだったけど、試験に受かったから始めた』とかだったりします。
ほんとに取ったからすぐ始める人とかいますからね。マジスゴイ!!
不動産の開業に必要な『宅建取引士』という資格があればなんとかなるので、
開業のハードルは低いんですかね。主婦の方でも取ってたりする資格ですからね。
ちなみに私は、計算してみたところ6年3ヶ月、不動産業界で勤めていました。
ひとえに不動産会社と言っても、業務内容は非常に多いです。
賃貸業なのか売買業なのか、不動産投資だったりアパート建設など、と様々です。
私は購入者と売却者の間に入る『仲介業』をやっています。
先ほどの年数を掘り下げていくと、賃貸業に2年2ヶ月、売買業に4年1ヶ月従事していました。
最初に賃貸業を経験してから売買業に移りました。
正直、同じ業種でも大分仕事内容が違います。
売買専門の方で賃貸を経験した方に話を聞くと『もうやりたくない』
といった声をよく聞きます。
私も同意見ですが(大変だったので)経験してみる価値はありますよ!
賃貸業ではクレーム処理だったりが多いですが、その処理能力を学べたのは大変大きいですね。
これは仕事だけではなく、実生活でも大事でした。説得力とか冷静に対応とか。
やって良かった!
それにいざ開業したときでも、”売買専門だから売買の人しか来ない”
と言う訳ではありません。全く何もしゃべれないと割と困ります。
基礎知識程度は身につけておいたほうが良いです。
その後売買業に。一歩間違うと大変なお仕事なので、しっかりとした知識も求められます。
試験で勉強はしてるのですが、まぁ忘れてましたねw
ずっと怒られながら頑張っていましたよ。
知識は当然とお客様は思っていて、もっと大事なのは営業力だと思います。
今はネットで何でも調べられる時代ですので、お客様のほうが知識が多いということもあります。
知らなさすぎると問題ですが、ある程度の知識があればあとは営業力にかかってきますね。
高額な商品なので信用されるか、といった要素が大事になってきます。
ちなみに私がどれだけ仕事ができたかについてですが、正直全然営業成績は良くなかったです。
売買に携わった4年ちょっと。その中でノルマを達成したのは1回だけでした。
決して厳しくはないノルマでしたよ。他の同僚や先輩も達成していましたし。
そんな中でも無事に開業できました。私の気持ちは後で話すとして、
これぐらいの経験で開業した人もいるってぐらいで読んでくださいね。
もちろん営業成績がいい、営業上手になったほうが良いことは言うまでもないです。
知識の面でもそうですが、一通り自分で契約から決済まで行えれば十分かと思います。
案内業務や契約業務、各手続と流れを理解して決済までできるのなら、問題ないでしょうね。
この業界は、法律がちょくちょく変わります。なので追加で勉強が必要です。
私が大阪で仕事をしていた時の話ですが、その時は”土地”の取引はほぼありませんでした。
沖縄に帰ってきて、測量や、農地転用など、改めて勉強しなおしました。
特に農地転用は宅建でも出てるのですが、私も存在は知ってる、ぐらいのレベルでした。
今後も新しい法改正や、全く知らないこともしっかり調べないといけません。
この前はお客様が『サバゲ―の会場が欲しい』とご依頼いただいたので、
ネットで調べたり役所に問い合わせたりしました。お陰で少し賢くなりました(笑)
日々勉強ですね。社長だからと言って、何でも知ってるわけではありません。
そういう時はお客様にも正直に言います。『調べて後日回答しますね。』と。
だから
完璧に不動産業をマスターしてから開業しよう!!
というのは、私は賛成しませんね。かなり長い道のりでしょうから・・・
- 知識について。完璧を目指さず開業してからも学ぶ気持ちで。
- 取引を一人で完結させられるようになれば及第点。他は後々覚えよう。
- 賃貸も売買もどちらも経験しておくといいかも。
資金面について
お金の面でも、決して余裕ではありませんでした。事務所を借りたり不動産の免許を取ったり
それだけで300万ぐらいは飛んでいきましたかね。びっくりしたのは営業保証金。
あれは宅建業で習いますよね?直接補償金を供託するなら1000万、保証協会なら60万って。
うちももちろん安い方、つまり保証協会に加入する方法で申請しました。
実は保証協会にも別途で支払う金額があって、私の時は実質100万越えの支払いでした。
開業する過程で調べたのでわかりましたが、それまでは『60万あれば開業できる』
と思っていました。(私だけなんですかね?(;^ω^))
他にも事務所を賃貸する場合はそのお金、株式会社にするには設立費用(25万ぐらい)
コピー機やパソコン、机などを揃えるにも6~70万ぐらいかかったのではないでしょうか。
母親に借金してなんとか開業したぐらいです。
個人的にはかなり安くまとめました。
家具は中古で買ったり、株式会社の設立は自分で行ったり
(一般的には司法書士などに依頼します。)
開業した記事を読むと『半年は暮らせるぐらいの金額を用意しとけ』とありますが
正直、少ないと思います。いや少ないでしょ!!
自分は超慎重派なので、1年程は余裕を持ったほうが良いと思います(実行できなかったけどw)
私は売買専門なのでそうかもしれませんが、お金が入ってくるまでが長い!
ただでさえ信頼が大事な不動産、みなさんも”怪しい”とか思ったりしませんか?
ですのでそんなすぐお客さんが来るなんて、よっぽど広報上手なのか何なのか…(;^ω^)
また、契約から決済までも長いです。気前のいい客が『キャッシュで一括!!』
とかじゃなければ普通の一戸建てで1~2ヶ月、契約から決済までにかかります。
1年といった手前、『そんなのすぐじゃん』と思われるかもしれませんが、売却なんかは特に
すぐ売却できるとは限りません。相談して、募集して、契約して、決済して…
実際に私が今手掛けてる案件も相談の段階です。売却完了はおそらく1年後ではないでしょうか。
不動産仲介の話メインになってしまいましたが、概略はこんな感じです。
地域によって家賃が違いますし、業種、エリア、客層もまちまちなので『具体的にいくら!』
といった金額を出すのは難しいですが、売買ならかなり余裕をもって始めることをお勧めします。
地味に痛いのは広告費。出さないとお客様が来ないけど出費が・・・。
今はネットで集客もできますが、HPから何からお金がかかる!!
ざっくりと『1ヶ月で事務所の維持費で10万、広告費で5万、雑費で3万・・・』
と計算してみるのもいいかもしれません。そして実際紙に書くなりパソコンで打つなり
目に見えるほうが私は安心しますね。頭の中だけじゃどうにも上手くいかない…(;^ω^)
- 宅建で習う『営業保証金』以外にも、入会費とかいろいろかかる。
- 特に売買に関しては現金化まで時間がかかる。1年半はお金が入らないと心得るべし。
当時の私の心境
実はもともと『開業したい!』と思っていました。
不動産で、ではないですよ?何でもです。何でもいいからとにかく『社長になりたい!』
と思っていました。
不動産業界に入ったのはたまたまだったので、職が違えば違うことをやってたんだろうと
今でも思いますね。ある意味、不動産業界でラッキーだなと思います。
この業界を志して入る人はあまり目にしません。
どっちかというと一攫千金を狙う人だったり。
給料というか歩合が大きい業種ですからね。
『家が大好きで~』なんて、企業面接ぐらいだと思ってしまいます。
(純粋に不動産業が好きな方はゴメンナサイ)
私は『後から不動産業を好きになった』タイプです。きっかけは偶然だったけど
今ではとても感謝しています。社長、ありがとうございます!!!
それはさておき、起業に至るまでのお話。まずは経験面。
正直自信がありませんでした。『営業力が不足しているのに大丈夫なの?』と。
実は4年勤めてましたが、最後の1年でノルマを達成したんですよね。
ある程度手ごたえは感じましたが、確たるものがありませんでした。
資金面についても同じです。在職中に色々調べて『こんなにかかるの!?』
と驚きました。ギリギリ貯金で賄えるぐらいだったけど、超慎重派の私は
『これじゃ全然足りないのでは』と計算しながら思ってました。
上では偉そうに言ってますが、どっちも全然満たせていないまま開業となりました。
開業のきっかけ
ここまでを見てみると『なんで開業したの???』とツッコまれそうですね。
ちゃんと理由があるんですよ。
私の場合は一番大きかったのは『お客様からの感謝の言葉』でした。
このお客様からの感謝で背中を押され、開業へと進みました。
上で話した最後の一年。ノルマを達成したのですが、その自信もありました。
その中で『こんなにも喜んでくれる、必要としてくれる人がいる』と感じ
これならできる!と今に至ります。ちょっとだけ
『20代で社長のほうがカッコいいじゃん!』とか思ってましたがw
でも結局、営業力にしても資金面にしても、気にしていたらキリがないので
最低限プラスαぐらいで良いかな、と思えましたね。
私の知り合いでも開業を志す方がいました。正直私よりも先輩なのですが
なかなか開業に踏み出せずにいる人も多かったです。
もちろん家族がいるとリスクを負えないといった方もいるし
やっぱり今勤めてる会社が好き、という方もいます。
私は開業してよかったと思ってますが、人それぞれですよね。
ただ、不安な中でこのページを見つけてくれた方に、少しでも参考となっていれば幸いです。
おまけ
この記事は作成した日(2022.1.28)には、ほぼ意味のない記事だと思います。
だってまだ私が成功していないんだもの!!
きっと数年後に参考になった記事になるように日々精進していきます!!
お読みいただきありがとうございました。
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